ジョウビタキとノビタキの違い:秋の渡りでよく出会う2種
秋になると、野原や河川敷、草むらに小さな鳥たちの姿が増えてきます。その中でよく見かけるのが「ジョウビタキ」と「ノビタキ」。どちらもスズメくらいのサイズで、パッと見ただけでは見分けがつきにくいかもしれません。
でも実はこの2種、それぞれ行動も、色も、生き方も違う個性派の小鳥たちなんです。この記事では、秋の観察で間違えやすいジョウビタキとノビタキの違いを、外見・行動・鳴き声・生息場所の観点からわかりやすくご紹介します。
見た目の違い:色と模様で見分けよう
ジョウビタキ(常鶲)

- 体長:約14cm
- オス:頭が銀白色、顔が黒く、**翼に白斑(はくはん)**が目立つ。腹は赤褐色でコントラストがくっきり。
- メス:全体的に茶色っぽく地味だが、翼に白斑がある点が共通している。
- 尾羽:橙色で、ピコピコ上下に振るのが特徴。
ノビタキ(野鶲)

- 体長:約13cm(ジョウビタキより少し小さい)
- オス(夏羽):黒い頭、白い首、オレンジの胸が鮮やか。※ただし秋は換羽して色があせる。
- メス・秋のオス:淡い茶色とベージュ系の体色。くちばしの付け根が少し黒く、目の周りに淡い眉斑(びはん)が見える。
🔍 見分けポイント
- ジョウビタキ=羽の白い斑点+尾を振るしぐさ
- ノビタキ=より小柄&全体に柔らかい茶色、模様が控えめ
行動・生態の違い
| 比較項目 | ジョウビタキ | ノビタキ |
|---|---|---|
| 渡り形態 | 冬鳥(日本で越冬) | 旅鳥(日本で一時滞在) |
| 見られる時期 | 秋〜春(10月〜3月) | 主に秋(9月〜10月) |
| 観察場所 | 住宅地の庭、公園、河川敷 | 草原、農地、堤防、休耕田など |
| 行動パターン | 単独で行動し、縄張り意識が強い | 数羽で見られることもあるが基本単独 |
🕊️ 性格の違いもおもしろい
- ジョウビタキはテリトリーを守るタイプで、同じ場所に何日も居つくことが多いです。
- ノビタキは「旅の途中」。渡りの途中で数日立ち寄り、すぐに次の土地へ飛び立っていきます。
鳴き声の違い
ジョウビタキの声
- 地鳴きは「ヒッ、ヒッ」や「カッカッ」など、金属的で短い音。
- 早朝には「ヒュリリリリ…」というやや不安定なさえずりも聞ける。
ノビタキの声
- 「チチッ」「チリリッ」など高く短い音で、やや控えめ。
- 秋の渡り時期はあまり鳴かないことも多く、動きから見つけることが多い。
🎧 聞き分けポイント
ジョウビタキの声は「高くて硬い」印象。ノビタキの声は「やさしく軽やか」で、存在感が控えめです。
動きとしぐさの違い
- ジョウビタキは、枝や杭の上にピタッと止まり、尾を上下に振る姿が特徴的。そこから飛び立って、また戻るような動きを繰り返します。
- ノビタキは、草の穂先や杭の上にちょこんと止まり、上下に小刻みに揺れるような動きをします。飛び方は直線的でキビキビしています。
📷 観察&撮影のヒント
- ジョウビタキは比較的近くまで寄ってくることもあり、撮影チャンスが多め。
- ノビタキは人の気配に敏感な個体が多く、遠くからそっと観察するのがおすすめです。
名前の由来と豆知識
- ジョウビタキ(常鶲):「常にいる鶲(ヒタキ)」という意味ですが、実は冬にしか日本にいません。
- ノビタキ(野鶲):「野原にいるヒタキ」という名の通り、開けた草地を好みます。
📝 分類メモ
どちらもヒタキ科に属し、尾羽を立てたりピコピコさせる特徴があります。共通点があるからこそ、見分けが難しいのかもしれませんね。
見分けポイントまとめ
| 特徴 | ジョウビタキ | ノビタキ |
|---|---|---|
| 羽の白斑 | あり(はっきり) | なし(または薄い) |
| 尾の動き | よく上下に振る | あまり振らないが、体全体で揺れる |
| 声 | 金属的「ヒッ ヒッ」 | 控えめな「チチッ」 |
| 見かける時期 | 秋〜春(冬鳥) | 秋の短期間(旅鳥) |
| 好む場所 | 人里・庭・低木まわり | 草原・農地・堤防など開けた場所 |
まとめ:見分けの楽しさをフィールドで体感しよう
ジョウビタキとノビタキは、秋のフィールドでよく見かける代表的な小鳥です。最初は似て見えるかもしれませんが、観察を重ねるうちに「羽の模様」「動き方」「性格」など、小さな違いがどんどん面白く感じられるはずです。
双眼鏡とカメラを持って、ぜひ秋の空気の中で彼らの姿を探してみてください。

